BHのマスコット・じんぼうくんがつづるブックハウスの毎日
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「杉山 亮(あきら)先生にお会いするの巻@絵本カフェ ~抱腹絶倒編」
月に一度のポプラ社さん開催の 「絵本カフェ」 にまたまたおじゃまいたしましたスタッフ。 美味しいスイーツをいただきながら作家の先生方に直接お話を聞かせていただけるという夢のようなひとときです。 

f0101969_18524394.jpgさて、今日は昨年末に 「名探偵ホームズの事件簿 (ポプラ社/絵 藤本和也)」 を出された、めいろ絵本などで大人気の 杉山 亮先生。 この迷路絵本、ブックハウスでもポスターを貼っていますが、一度始めたら面白すぎてやめられない、魔の絵本 (?) なのです。 迷路にお話が乗っかっていて、正しく辿れば正解が分かるし、違う道を辿るとギャグやら面白いお話が待っています。 わざと正解をさけて全部読んだりして。 でも、よく見ると本当によく出来ていて 字数もぴったりだし ギャグの連続だしで、先生がこれをいったいどういう風に作られているのか 大変興味深くなっていたところでした。 今回は絵本製作についてお話くださった他、現在の子どもの本が読まれないこの状況の 改善のヒントになるような有意義なお話をいただきました。 先生は元々保育士で、長い間子どもたちと関る様々な活動をしていらっしゃるのでその長年の体験談を交えながらのお話、それが独特のユーモアたっぷりの語り口に乗って耳に心地よく届き、会場中が笑いの渦に巻き込まれ、終わった時にはスタンディングオベーション! ・・いえ、立ち上がってはいなかったのですが、それくらい会場は熱狂していました。 飛び出した数々の名言、とても紹介しきれませんが、ちょっとだけ・・。 


【まず、本を読む前に・・・】
「笑い方、ふるまいを覚える。 場数をふむ。」
☆今の子どもたちは 何かを見たときに手をたたくという習慣がないんです。 テレビではその機会がない。 つまらないと思ったらチャンネルを変えればいいというまるで王様や王女さまを育てるようなメディアです。 しかし大人が傍で一緒に見てくれれば、「笑い方」を習うことができる。 
☆物語を深く楽しむためには、学校ではなく できるだけいろんな人が、笑うツボが違う子どもと大人、老若男女が一緒に楽しんでいるところがいい。寄席や講談などで、最初は分からなくても周りの大人が笑っているのを見て背伸びして笑ったりしていくうちに「粋」を覚えていく。学校では教えてくれないことです。 こうしていくうちに面白がり上手になると思う。 
☆舞台は 乗せ合う関係なので、語り上手と聞き上手みたいな関係ができるといいですね。 お互いの持ち点が高いほど、高めあっていいものが生まれる。 聞き上手になるための場数をたくさん踏んでほしい。
☆歌舞伎座や寄席によく通ったが、お客さんがなんとなくオシャレをしてきていたり、そういう華やかな光景の中に自分も包まれている嬉しさ、一緒に楽しんでいる嬉しさを味わいました。 これはテレビでは味わえない。 それだけでなく、野球場で、映画で、芝居で、コンサートで、楽しみ方がそれぞれ違う。そういう場数を踏んで、様々なスタイルを楽しんだ後、本にいくとスムーズですね (もちろん同時進行ですが) 。
☆今の子どもたちの笑いは非常に単純。 下ネタ・いじめネタ・だじゃれの3つです。 広がりがない。もう少しひねって笑いを取ろうという習慣がない。 昭和初期の子どもたちがある雑誌に投稿した笑い話を編集したことがありますが、非常に成熟したびっくりするものが多かったです。 
☆今は日本人は共通した物語を失いつつあるゆえに 笑いも狭くなってしまっている。 老若男女共通した物語 (例えば忠臣蔵など) を持っていると そのパロディでみんなが楽しめた昔と違い、昔話ももはや国民的常識ではなくなってきています。 桃太郎でさえ、お供の動物といって、猿・犬・もうひとつが正解でない子が半分くらいいました。


【そして、本を読む時には・・・】
「こどもなりの教養をもつ~たくさんの引き出しをつくる」
☆パロディは基の話を知らなければパロディではなくなります。 パロディだけでも面白いが、基の話を知っている子はもっと面白い聞き方が出来る。 喩えるなら 基話を知らない子は単純に美味しいスープを味わっているが、基を知っている子は様々な旨みが溶け合っている複雑な味のスープを味わっているということです。
☆(先生の代表作の 「用寛さんシリーズ」 の) 用寛さん、これはもちろん良寛さんのパロディなんだけれども、その話の中で出すお寺用語 (例:伽藍) は難しいと編集者に言われますが わたしは使いたい。 そのときに分からなくても頭に残っていたらきっと将来思い出す時がくるかもしれない。 その 「入っている」 というのが大事です。


【それから、本を選ぶには・・・】
「面白いものを見つけ出すカンを育てる」
☆本を選ぶ時には全部読むわけではなくて 「これ面白そう!」 というカンを働かせるでしょう。 このカンは自分の経験を基にするしかない。 雑読、乱読、とにかく物語がその人の頭の中にどれだけ入っているかが勝負です。
☆横浜の集会所で頼まれて語っていた時、最初は笑える話を用意していたのが、毎年繰り返すうちに子どもたちが物語の面白がり方を分かってきて、場数を踏んでいくと 一時間笑うところのない話でもじっと聞いてくれるようになりました。 面白がり方を学ぶということは、まさに修行です。


先生の迷路絵本の作り方について
―――「どうやって絵本が作れるんですか」 という質問をよくうけますが、偶然降ってくることもありますが、ほとんどが自分の引き出しから降って来るものです。 棚からぼた餅っていいますけど、棚にぼた餅をのっけておかなくちゃね。 どれだけたくさんのぼた餅を乗っけられるかが重要だよね!



・・とまあ、全然書ききれてはいませんが、「先生のお言葉ちょっぴり紹介」 でした。 先生のお話は喩え話が良く出てきて これも基ネタを知らなければ笑えないんだな~と思ったら、これからも面白がり方の修行を積もう!と心に誓ったスタッフでした。
この日の講演の間に実は 「物語ライブ」 からお話を二つ、していただいています。 「物語ライブ」 とは、先生のお住まいの山梨の小淵沢 (標高1000メートルの高原!) で毎年7月下旬から8月いっぱいまで毎日一時間半ほど先生がライブで物語ってくださるものですが、なんと一夏に7~800人来場されるというから驚きで、しかも、これはなんとワンコイン (500円) で二つもお話が楽しめるというお得すぎるライブです! その人気のライブからのお話ですから説明不要の面白さ。 いえ、面白いという形容詞では足りないほどでした。 なにしろ、先生が飄々とした表情と語り口で 面白いことを次から次へと繰り出すものですから 聞いてるこちらはドカンドカンと笑いが大当たりしてしまうのです。 このライブを一人でも多くの方に届けたく、ムービーを載せたいぐらいですが、小淵沢へはどなたでも参加できるそうなので ぜひ実際に行って体験してみてください。 先生がおっしゃるとおり、生で聞いて、聞き上手になって、きちんと拍手して楽しむのがいいですものね!


そんな先生作の迷路絵本も、「字が多い」 で拒絶されてしまう親御さんもいるそうですが、ポスターなどで床において親子で這い蹲って一緒に楽しんだりできる良いコミュニケーションツールのひとつで とてもオススメです。 もちろん、たくさんの土台が入っていないと無数に散りばめられたギャグは笑えないほか、そもそもの本筋を知らないとパロディとすら分からない可能性があります。 逆に言えばひとつの中にたくさんの物語を散りばめられているのでたくさんの物語を知っている人ほど楽しめる。 これを楽しむために他の知識も併せ持つようにがんばる・・・奥が深い絵本です。 でも、笑いは修行!笑うためにがんばる!って、中々いい人生じゃないですか。ねえ。

先生は 「わかってくれる人はわかってくれる!」 という気持ちもお持ちだそうです。 わたしは先生の 「ひねったギャグ」 「引き出しがあるとより笑えるギャグ」 をわかってくれる人がますます増えていくといいなあと思っています。

f0101969_19192537.jpg最後に、本を薦める時は 「デパ地下食品売り場のおばちゃん方式」 がいいのでは?という先生からのご提案が。 「ちょっと食べてみて!これおいしいから!美味しいでしょ、これよ、これ!」 このノリがいいのではないかと。 「この食品の中にはビタミンが豊富で・・・」 と薀蓄を言われてもピンとこないですもんね。 本も、「ちょっと読んでみて!これ面白いよ!この本だよ!」 方式で、本を周りの人や本選びに迷っている子どもたちに薦めてみませんか? 


「杉山先生プロフィール」
1954年東京生まれ。都内の保育専門学校を卒業後、東京都利島村の村立保育園などに勤務し、7年間保育に携わる。30歳でおもちゃ作家に転身し、40代からは児童書や絵本のテキストを書き始める。「用寛さん本伝」「あなたも名探偵シリーズ」など著書多数。2006年から山梨県小淵沢に在住。

f0101969_18411257.jpg名探偵ホームズの事件簿 杉山亮のおもちゃ絵本
杉山 亮作 藤本 和也絵
税込価格:¥1,470(本体 : ¥1,400)
出版:ポプラ社
サイズ:27cm / 17p
ISBN:978-4-591-10581-8
発行年月:2008.11

とってもオススメです! 一度やりだしたら 止まらない。 大人も子どもも赤ちゃんも、みんなで楽しく遊びましょう。


※ブログでご紹介しております書籍・グッズはお品切れの場合がございます。予めご了承くださいませ。
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by bh-jinbocho | 2009-03-25 18:39 | 絵本作家さんのこと☆
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