BHのマスコット・じんぼうくんがつづるブックハウスの毎日
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「小林豊さんにお会いしました!@ポプラ社の絵本カフェ」
☆ポプラ社の絵本カフェとは?・・・ひと月に一度、ポプラ社さんが開催してくれる、絵本作家さんと一緒にサロンでゆったり過ごす幸せな一時です♪

f0101969_14295251.jpg1月は小林豊先生。 とても興味のある作家さんでしたのでとても楽しみでした。 同時に、たいそうハードボイルドな雰囲気の、硬派で戦場で生きる口数少ない男性・・というイメージを先生に勝手に抱いていて、おかしな質問をしたら叱られるんじゃないかとドキドキしていたのですが、実際の先生は いろいろな世界を旅して文化に触れて世界中いろんなところにお友達がいる大きな笑顔の持ち主でした。 豪放磊落な方とお見受けし・・ホッ!


小林豊先生は、『せかいいちうつくしいぼくの村』 で第43回産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞、『クラウディアのいのり』 (村尾靖子・文) で第14回日本絵本賞読者賞受賞、また、『ぼくの村にサーカスがきた』 が第43回青少年読書感想文全国コンクール課題図書に選定され(以上ポプラ社)、『ぼくは弟と歩いた』(岩崎書店) 3部作は教科書に載ったり学校で読まれたりと、その著作は数々話題となっています。
f0101969_14401086.jpgf0101969_14402699.jpgf0101969_14404274.jpg 

世界各地、旅していないところは描かないとおっしゃるように、現地での綿密な取材を経て (実際この 「取材」 という作業に非常に時間を割かれています) 絵本を描かれたということです。 完成した絵本よりもメイキングの段階の方が面白いかも、とご自身でおっしゃるほど、その取材部分 (コンテなど) は迫力があり 素晴らしいもの。 来る2/6から3/14まで 北海道・小樽市の小樽文学館で開かれる 「小林豊原画展」 中は、その豊富な資料も一挙紹介!だそうです。 貴重な機会ですから、お近くの方はぜひ足を運んでみてください。
小樽文学館

先生は1970年代から80年代にかけて中東・アジアをたびたび訪問しています。 「たくさんの良い出会いがありました」 というそのご経験が 現在創作活動にもつながっていらっしゃるのでしょうか。 先生の描く本は ノンフィクションに近いものがほとんどで、日本に住む私たちに、世界各地に生きる人たちの 「今」 をその取材力でしっかり余すところなく伝えてくれます。 「中東」 「戦争が起きてるどこかの国」 と一口でくくってしまいがちになるほど 日本に住む私たちからは距離だけでなく果てしなく遠い国々を、絵本で子どもたちに (大人たちにも) 見せてくれる絵本たち。 「子どもたちに、世界中にはいろいろな価値観が存在するということを伝えたい。 許す・認めるといった人間のキャパシティーとは、いろいろな物事を知れば知るほど広がっていき、それが 『寛容』 というもの。 この 『寛容』 は大事なことですよ。 非寛容というのがつまり戦争そのものだからね」。 一人ひとりがお互いを知っていくことで、興味を持ち、好きになっていけば いつかは争いもなくなる ― そう願いたいですね。

元々日本画家として大作も手掛けられている先生が、ポプラ社の編集者の方と出会ったことでこの絵本の世界に入られてからの約15年を 「楽しかった」 と表現されました。 「試行錯誤で進んできた。 絵本に関しては素人」 とおっしゃいますが、「細部をくまなく描くことができ、世界中の人たちが共感でき、テーマをそぎ落としたりする必要もなく読者は自由に自分のお話を作ることができ、そして持ち運びができる 『絵本』 、これは すごい文化のアイテムじゃないかと思いますね。 こんないいものを使わない手はないよね、これからどんどん必要なものになってくるんではないかな」 と絵本の重要性について語られ、私たち書店員もぐっときてしまいました。

f0101969_144274.jpgさて、1999年にポプラ社から出版されました 「えほん北緯36度線」 ですが、きれいな風景が印象的な旅の絵本です。 北緯36度の街:東京から始まり(※厳密にいうと36度は埼玉だそうですが)キョンジュ(韓国)・シーアン(中国)・ヘラート(アフガニスタン)・マシュハド(イラン)・アレッポ(シリア)・・・時間軸に沿って各地方の景色が美しく描かれます。 ただそうやって私は奇麗だなーと読んでおりましたが、この絵本のテーマ 「温帯のライン」 のことを聞いて目からうろこが落ちました! 先生曰く、「自分の住む緯度が同じところは、苦労せずに旅ができる」。 なるほどー!気候もだいたい似ているし、旅をするのに大事なのは飲食だと思いますが、酒の度数や発酵食品が食べられたりとだいたい同じなんですって。 文化の違いなどはあれど、緯度で結ばれた意外なつながりを持つ街たち。 シリアのアレッポなんて、熱い遠い国というイメージだけで、東京と同緯度で旅がしやすいなんて初めて知り、目がぱーっと開きました。 そうして世界をものすごい身近に感じていらっしゃる先生が 一段と大きく見えたのでした。
「アフガンに絵本を持って行ったんですよ。 訳つきで。 カラーの本が珍しいので バザールで売ってもいいよという意味も込めて。 子どもたちはみな目を輝かせていました。 文字が描いてあると気になって 「お母さん、読んで」 とせがむ。 しかし若い母親は字が読めないんです、戦争の影響で学校に通えないから。 ああ、先進国の人間が考えるような現地のことを鑑みない援助だ、しまったな、と思ったんです。 すると、字の読めない子どもたちが絵本の匂いを嗅ぎだした。 紙・インクの匂い、それがいいんですね。 これを見て、僕は、本はここから始まる、中身じゃないんだ、これがつまり文化の匂いなんだと思いました。 この体験は勉強になりました」 ―先生の体験談を聞き、本当にいろいろと私たちも勉強になりました。

戦争をしている国でも、その中に私たちと同じ日常がある。 国を愛して家族を愛する そういう心は国境を越え 世界中で共通したことです。 ―先生は最近子どもたちにお話する機会が増えたそうですが、「子どもというのは不思議なもので、国や時代、肌や髪の色が違ってもどこの国でも一緒です」 ―先生が楽しそうにおっしゃいますが、そんないろんな偏見や知識から自由である子ども時代には、ぜひ積極的に小林豊さんの絵本のような 「大きなもの」 にたくさん出会ってほしい、そして、たくさんの人がいていろいろな価値観を持って暮らしていることを感じてほしいなあと思いました。 先生、これからも絵本を待っています。 貴重なお話をありがとうございました。

f0101969_14182059.jpg小林豊(こばやし ゆたか)
1946年、東京都に生まれる。 日本画家。 1970年代初めから80年代初めにかけて、中東・アジアをたびたび訪れる。 その折の体験が、作品制作の大きなテーマとなっている。 『せかいいちうつくしいぼくの村』(ポプラ社) で1996年度産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞。 主な著書に、『なぜ戦争はおわらないのか― ぼくがアフガニスタンでみたこと―』など。 絵本に、『ぼくの村にサーカスがきた』 (1997年度課題図書) 『せかいいちうつくしい村へかえる』 『えほん北緯36度線』 『まち―ぼくたちのいちにち―』 『ちいさなやま』 (共にポプラ社)、『ぼくは弟とあるいた』 シリーズ(岩崎書店)、『さくらのまち』 (佼成出版社) 他。

f0101969_1425968.jpg北緯36度線
えほん
小林 豊作・絵
税込価格: ¥1,365 (本体 : ¥1,300)
出版 : ポプラ社
サイズ : 25×26cm / 40p
ISBN : 4-591-06149-3
発行年月 : 1999.8
北緯36度線― 東京に住む私たちが地球の同緯度のところを旅するということは、どんなこと? 私たち人間を区切るのは 何? 文化でも言葉でも国境でもなく、こんな素敵な視点で 人間を追ってみると 心がすーっと大きくなっていきます。 この絵本には とても深いテーマが隠されているようです。 ぜひ手にとってご覧ください。

※ただいま 小林豊さんのサイン本を販売中! 詳しくはこちらをご覧ください。 お早めにどうぞ!


※ブログでご紹介しております書籍・グッズはお品切れの場合がございます。予めご了承くださいませ。
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by bh-jinbocho | 2010-02-04 12:19 | 絵本作家さんのこと☆
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